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第三回研究会

8月23日、名古屋大学法学部第1会議室にて、第三回研究会が開催されました。

第三回目は黒川正剛氏の二著書『魔女とメランコリー』(新評論、2012年)と『魔女狩り―西欧の三つの近代化』(講談社、2014年)を取り上げた合評会となりました。

一人目のコメンテーター楠義彦氏は『魔女狩り―西欧の三つの近代化』で取り上げられた「視覚文化論」を掘り下げ、これに歴史的な奥行きを与えるものとしての本書のオリジナリティを評価しました。
*楠氏による『魔女とメランコリー』の書評があります。
楠義彦「他者としての魔女」(『史遊(京都教育大学歴史・地理学研究会)』第17号、2013年)

二人目のコメンテーター谷口智子氏は、『魔女とメランコリー』を取り上げました。
同書でテーマの一つとされた「他者としてのインディオ」を中心に、同時代スペイン人らのインディオ表象、ラテンアメリカにおけるインディオに対する異端審問の事例、またそこで「魔術師」とされた人々の実相を取り上げ、ヨーロッパにおける魔女迫害と比較して論ずる可能性を提起しました。

また自然認識、「真実」と「現実」の知覚、学際性の問題など両著が喚起する多くの問題系に刺激され、活発なディスカッションが交わされました。

次回の研究会は11月頃開催される予定です。